資 料



朱の207・・・元型を辿る(7)  [99/05/19 10:44]  HVHY



|ちなみに、「大彦」の子供が「建沼河別」と「比古イナコシ」の2人である。
|この系譜は、ここでは無視しよう。別のところで使う。重要なので覚えておいてほしい。

と書いたわけだが、「スサノオ」であることが判明した「神沼河耳」の別名は「建沼河耳」という。
これと上記の「建沼河別」は、あまりにも名前が似ている。そこで、同一人物としてみる。
(※各系譜について何処に当てはまるか分からないという態度で臨んでいる)

さらに「スサノオ」は、第6代「国押人」でもあるので、
その父は「ミマツ彦カエシネ」、母は「ヨソタホ姫」ということになる。
ここで「ヨソタホ姫」の父は、「尾張連」の祖「奥津ヨソ」と記されている。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

すると、以下の等式が成り立つ。

・父「八十神」=「大彦」=「ミマツ彦カエシネ」
・母「沼河姫」=「ヨソタホ姫」
・子「神八井耳」=「足名椎」=「天押帯日子」=「比古イナコシ」
・子「神沼河耳」=「スサノオ」=「国押人」=「建沼河耳」=「建沼河別」

ちなみに、「開化」の系譜には、「祟神」の妹に「ミマツ姫」がいるように、
「祟神」の系譜には、「大彦」の娘に「ミマツ姫」がいるように、それぞれ書かれている。
しかも「祟神」は、「尾張連」の系統の者を娶っており、この系統が「景行」から「雄略」へ繋がっていく。
即ち、ここから「ミマツ」〜「大彦」〜「祟神」〜「尾張連」という連関が見えてくるのである。

ところが、「国押人」の兄は「天押帯日子」と言い、これが「神八井耳」に重なる。
「神八井耳」は、「多臣」(及び同族)の祖。「天押帯日子」は「春日臣」(及び同族)の祖である。
ならば、「尾張連」〜「多臣」〜「春日臣」と繋がってしまう。これは、どういうことだ?
(※古事記は「ワニ臣」と「春日臣」を実は別物として既述している点に注意)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さて、「比古イナコシ」という名前は、「イナ」+「コシ」である。

前者は、「稲田宮主須賀之八耳」という称号から「稲」を取ったわけだ。
「神八井耳」は、「スサノオ」から「稲田宮」という拠点を与えられたのであろう。
但し、「櫛名田姫」の名前を見ると分かるが、「稲」=「イ」+「ナ」と分解して考えるべき。
「イ」は接頭辞であり、「ナ」が固有部分なのである。ならばむしろ、「稲田宮」=「名田宮」だ。

後者はもちろん、母である「高志」の「沼河姫」から貰った「高志」である。
「神八井耳」が「八俣オロチ」を退治してくれと頼んだのは、
おそらく「八俣オロチ」が、糸魚川の翡翠(勾玉)に関係していたからであろう。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さらに突っ込むと、「大国主」と「八十神」の話とは、「因幡の素兎」の話であって、
したがって、「稲田宮」というのは、「因幡の国」に関係している。

「因幡」と「高志」となると、これは完全に日本海側だ。
ところが、またまた、紀伊半島にも「名田」という地名が残っている。
紀伊半島の南西部は、弥生終期の高地性集落の一大分布エリアである。
戦い(?)の舞台のひとつが、このエリアであったことは、もはや否定できない。

ちなみに、「ヨソタホ姫」の「ヨソ」は、言うまでもなく「八十神」の「八十」(ヤソ)である。
その父「興津ヨソ」の「奥」は、「隠岐島」と「気多」の間を行き来していた「素兎」に由来する。
残る問題は、「ヨソタホ姫」の名前に附いている「タホ」。これが極めて重要!

結論を先に書くと、「タホ」=「十」=「遠」=「垂」(=「兎」?)である。
この等式の一部に関しては、既に述べたことがある。しかしその時は、
「ヨソタホ姫」に繋がっていると考えるまでには至らなかった。不覚と言うより他ない。
ともかく、ここで再び「十市県主」とか、「遠津**」とか、「**垂*」に注目しなければならない。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

大和盆地の中心部、「十市県」のそのまた中心に、「多神社」が鎮座している。
この神社から東を見渡せば、三輪山が、西を見渡せば、二上山が遠く、しかしはっきり見える。
この近辺には、楼閣で名高い「唐古・鍵遺跡」があるかと思えば、「秦氏」の「秦楽寺」があったりする。
古代史を考えるうえで、避けて通れない場所と言っていい。

いずれにせよ、古代の祭祀氏族といえば、「忌部/中臣」である。にも拘らず、
古事記を前から読んでいくと、祭祀を最初に司ったのは、「神八井耳」=「多臣」となっている。
「忌部」や「中臣」と、「多臣」(及び同族)は、そもそも繋がっているのか? いないのか?

何故、こんなに分からないことばかりなのだろう?

戻る